地方で進むインド人材の活用

Global Career Lab — インド人材・地方活性

人口減少が進む地域で、即戦力をどう確保し、現場に定着させるか。国内各地の最新動向と制度・実務の要点、そして私たちが提供できる伴走支援をまとめました。


1. 人口減少が進む地方で何が起きているのか

日本の地方では、少子高齢化と若年層の都市部流出が重なり、労働力・担い手・消費が同時に縮小しています。政府文書でも、公共交通の「交通空白」や生活必需サービスの維持難といった課題が明示され、担い手不足は地域経済を直撃しています(内閣府)。また、出生数は直近も過去最少水準を更新し、構造的な人手不足は今後も続く見通しです。

こうした背景の下、海外の即戦力人材と持続的につながる設計は、地方企業の事業継続に直結するテーマになりました。中でも英語運用力と理工系の基礎力に強みを持つインドは、IT・設計開発から品質・製造技術、介護・観光まで、地方産業との親和性が高いタレントプールです。本稿では、国内各地で進むインド人材の活躍事例と、受け入れの実務ポイントを整理します。

2. 地域別の実例(島根/茨城/浜松/愛媛/大阪/北海道・浦河町)

島根:介護・ITの“二本柱”で人材パイプラインを構築

県主導の実務支援
  • 県内介護事業所向けに「外国人介護人材の受入に向けたセミナー」を継続開催。制度や定着支援の基礎づくりを行政・関係団体が後押し。
IT分野でのインド連携
  • 松江市はケララ州のITパーク等と交流を重ね、IT人材受入・交流の協議を推進。大学や地場IT企業も巻き込んだ往来が進展。
実務ポイント
  • 介護:特定技能(介護)での採用を前提に、日本語学習とOJTを採用前から設計。
  • IT:短期インターン → 内定 → 在留資格(技人国) → 着任の一気通貫モデル。

茨城:県として“インドのキャンパス”に出向く攻めの採用

Amity University と MoU
  • 茨城県はアミティ大学と覚書を締結。日本語講座やインターン連携を含む「送り出し~受け入れ」の枠組みを整備。
複数大学との接続
  • RV大学とも人材育成・受入の共同声明を発表し、高度人材の連続的な母集団形成を図る。
実務ポイント
  • 県・商工会・大学の三位一体:オンライン説明会を定例化し、中小企業でも迷わない導線を整備。

浜松(静岡):県インターンプログラムで“インド初受け入れ”

スズキで約1.5か月の実務研修
  • プログラム概要:「静岡ビジネスインターンプログラム」でインドから初の学生受け入れ。グジャラート大学 IT専攻のヘドヴィ・ガドゥシヤさん(19)がスズキで約50日、インド市場分析や輸出業務を学ぶ。7月4日には鈴木康友知事を表敬。2024年12月、県はグジャラート州と友好協定を締結し、人材交流を具体化。

愛媛:タミルナドゥ州と連携——“整備士不足×若年雇用”を同時解決

  • 州政府関係者が愛媛日産を視察:VR技術を活用した整備訓練・教育環境を紹介。現地での整備士養成機関設立 → 日本での受け入れという一気通貫の育成を検討(YouTube)。
  • 県の後押し:タミルナドゥ州との経済交流ミッションを継続。州立職業訓練校(ITI)視察等、連携の深耕が進む。

大阪:ハブ機能の強化——Hack Osaka の進化と国際連携

  • 国際イノベーション会議の拡張:2025年、Hack Osaka は Tech Osaka Summit としてリブランディング。万博関連プログラムとも連携し、英語で事業が回る職場の比率を高める基盤づくりが進展。
実務ポイント
  • IT・AI・カーボン系:英語運用 × 技人国で即戦力採用。
  • 大学・アクセラレータ連動:インターン → 採用を短期化。

北海道・浦河町:高い馬術スキルで牧場の人手不足を救う

  • 人手不足のボトルネック:競走馬の産地・日高地域では騎乗員や厩務員の不足が慢性化。浦河町は海外の熟練人材登用で基幹産業の継続性を確保。
  • インド人材の適合:英領期の影響で競馬・ポロ文化が根づき、馬の扱いに長けた人材が比較的多く、日本の牧場ニーズと噛み合う。
  • 規模感と評価:数百名規模の就労へ拡大し、勤勉・真面目という現場評価が広く共有。

3. 制度・ビザと実務の要点(特定技能/技術・人文知識・国際業務 ほか)

特定技能(SSW)
  • 16分野(介護/建設/製造 等)で即戦力の現業職を受け入れる制度。SSW1号は最長5年、SSW2号は更新無制限・家族帯同可(一部分野)。
  • 採用には技能試験・日本語水準の確認と支援計画の策定が必要(島根県庁 等の公的案内に準拠)。
技術・人文知識・国際業務(通称「技人国」)
  • 大卒相当の専門性(IT、設計、品質、調達、通訳など)で正社員採用する在留資格。
  • IIT/NIT/州立工科大 等の新卒・中途を対象に、設計・開発・企画職の受け入れに適合。
制度アップデートに留意
  • 技能実習の見直し(育成就労化)や SSW 拡充など、運用は随時更新。最新要件の確認と社内規程の整備が不可欠。
本章は公的情報(厚労省・都道府県等の告知)に基づく一般説明です。詳細は個別にご確認ください。

4. Global Career Lab ができること

地方の現実に合わせた、“採用~定着まで”の伴走型ソリューションをご提供します。

インドの大学・州政府との橋渡し(MoU/学内採用会)
  • IIT・NIT・州立工科大/看護・介護系校、および州政府・スキル機関と連携。専攻・技術テスト・日本語レベルまで可視化した候補者プールを設計。
受け入れ態勢整備(現場起点)
  • 職務定義・作業標準の英日バイリンガル化、現場日本語教材の作成。メンター制度/夜勤設計/評価ルールまで含む離職抑止パッケージ。
インターン受け入れの斡旋(内定直結型)
  • 短期インターン → 内定 → 在留資格申請 → 着任の最短ルートを運用。IT・設計は技人国、介護・製造は SSW で職種ごとにルート最適化。
ビザ・制度の実務支援
  • SSW 支援計画の作成・運用、受入機関の体制づくり、在留資格申請ドキュメントを並走支援。

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現場要件ヒアリング → 候補者プール設計 → 受け入れ体制整備まで、貴社のスピード感に合わせて伴走します。

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